茅ヶ崎市のやまもと内科クリニック
糖尿病専門医、総合内科専門医の院長が診察しております
糖尿病大血管合併症(太い血管の合併症)とは、動脈硬化のことです。
太い血管が狭くなったり、詰まったりして、血液がスムースに流れなくなり起こってくる病気です。
太い血管とは、具体的には心臓や脳や足の血管のことです。
糖尿病の方は糖尿病でない方と比べて心筋梗塞を3倍以上起こしやすくなります。
糖尿病の方は糖尿病でない方と比べて脳梗塞をを2-4倍程度起こしやすくなります。
糖尿病細小血管合併症(糖尿病3大合併症、細い血管の合併症)とは異なり、動脈硬化は、糖尿病の人だけにおこるものではありません。
年齢とともにどなたにも動脈硬化は起こりますが、糖尿病、高血圧、高脂血症(脂質異常症)、喫煙歴があると動脈硬化はより起こりやすくなります。
糖尿病の方は糖尿病でない方と比べて2〜4倍、動脈硬化が起こりやすくなります。
軽症糖尿病や、糖尿病予備軍(耐糖能異常)、食後の血糖値だけが高い人も、動脈硬化を起こしやすくなります。
糖尿病の方が、動脈硬化を防ぐためには、血糖コントロールはもちろん重要ですが、高血圧、高脂血症の厳格な管理が必要です。
血圧は130/80mmHg未満を目標にします。
高脂血症(脂質異常症)については、下記を目標にします。
LDLコレステロール | 120mg/dl未満 |
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HDLコレステロール | 40mg/dl以上 |
中性脂肪 | 150mg/dl未満 |
non-HDLコレステロール | 150mg/dl未満 |
狭心症や心筋梗塞がある場合にはLDLコレステロールを100mg/dl未満を目標にします。
狭心症や心筋梗塞があり、さらに脳梗塞、閉塞性動脈硬化症、慢性腎臓病、メタボリックシンドローム、喫煙している場合は、LDLコレステロールを70mg/dl未満にすることを検討します。
糖尿病大血管合併症(動脈硬化)は、全身のさまざまな血管に起こります。どこの血管の動脈硬化を調べるかによって、適している検査が異なります。
脳梗塞が疑われる場合には、頭部CT、頭部MRIなどの検査を行います。
狭心症、心筋梗塞を調べるためには、心電図、冠動脈CT、心臓カテーテル検査、アイソトープ検査などを行います。
閉塞性動脈硬化症が疑われる場合には、足関節動脈・上腕動脈血圧比(ABI)、CT、MRI、カテーテル検査などを行います。
当クリニックでは、心電図、血圧脈波検査(CAVI;Cardio Ankel Vascular Index)、足関節動脈・上腕動脈血圧比の検査を行っております。
CT、MRI、カテーテル検査などが必要な場合には、連携医療機関で検査を行います。
血圧脈波検査(CAVI;Cardio Ankel Vascular Index) | 全身の血管の動脈硬化がわかります |
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足関節動脈・上腕動脈血圧比 | 足の血管の動脈硬化がわかります |
頚動脈エコー | 頚動脈(首の血管)の動脈硬化がわかります |
心電図 | 狭心症、心筋梗塞がわかります |
約5分で、全身の血管の動脈硬化の進み具合(血管年齢)が診断できます。
詳しくは、血圧脈波検査(CAVI;Cardio Ankel Vascular Index)をご覧ください。
足の血管の動脈硬化を調べる検査です。
足の血管に動脈硬化が起こると、閉塞性動脈硬化症という病気になり、歩くと足に痛みが出るなどの症状が出ます。
詳しくは、足関節動脈・上腕動脈血圧比(ABI;Ankle Brachial Pressure Index)をご覧ください。
頚動脈(首の血管)の動脈硬化を調べる検査です。
頚動脈(首の血管)を超音波で調べ、動脈硬化の進み具合を判定します。
心臓の血管に動脈硬化が起こって、狭心症、心筋梗塞などが起こっていないか調べることができます。
詳しくは、心電図をご覧ください。
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