糖尿病の飲み薬(経口血糖降下薬) | 茅ヶ崎市の糖尿病専門医が解説

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糖尿病の飲み薬(経口血糖降下薬)

糖尿病の飲み薬は、3種類に分けることがきます。

インスリン抵抗性改善系
インスリンの効き目をよくする薬。
インスリン分泌促進系
インスリンの出をよくする薬。
糖吸収・排泄調節系
糖の吸収をゆっくりしたり、尿に糖を出す働きをする薬。

インスリン抵抗性改善系

ビグアナイド薬

ビグアナイド薬は、インスリンの効き目を良くしたり、肝臓でつくられる糖を抑えたり、腸から糖が吸収されるのを抑えたり、さまざまな働きで血糖値を下げるお薬です。

体重が増えにくいお薬です。

メトホルミン塩酸塩(メトグルコ、グリコラン)が使われることが多いです。

米国糖尿病学会や欧州糖尿病学会では2型糖尿病の第一選択薬になっています。

(日本糖尿病学会では、第一選択薬を決めていません。)

LDL-コレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪を下げる作用も報告されています。

腎臓の働きが悪い人には使えないお薬です。

CT検査でヨード造影剤というお薬を使うときは、検査の2日前から内服をやめて、検査が終わって2日間も内服しないようにします。

ビグアナイド薬
一般名 商品名
メトホルミン塩酸塩 メトグルコ、グリコラン
ブホルミン塩酸塩 ジベトス、ジベトンS

チアゾリジン薬

インスリンの効き目を良くして、血糖値を下げるお薬です。

食事療法がうまくいかないと、体重が増えることがあります。

むくむことがあるお薬です。

チアゾリジン薬
一般名 商品名
ピオグリタゾン塩酸塩 アクトス

インスリン分泌促進系

スルホニル尿素(SU)薬

すい臓からのインスリンの出を良くして、血糖値を下げるお薬です。

グリメピリド(アマリール)が使われることが多く、グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)は、最近あまり使われなくなりました。

HbA1cを下げる効果が大きく、効果は長く続き、1日中、血糖値を下げる作用があります。

低血糖を起こす可能性があり、低血糖を起こした場合、低血糖が長く続くことがあり、注意が必要です。

スルホニル尿素(SU)薬
一般名 商品名
グリメピリド アマリール
グリクラジド グリミクロン
グリベンクラミド オイグルコン、ダオニール

速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)

すい臓からのインスリンの出を良くして、血糖値を下げるお薬です。

スルホニル尿素(SU)薬と比べて、早く効き目を発揮し、効果は長く続きません。

食事の直前に飲むと、食後の血糖値を下げる効果があります。

食事の直前に飲むことが大切で、食事の30分前に飲むと、食事をする前に低血糖を起こす可能性があります。

「いただきます」の時に飲むのが良いでしょう。

速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
一般名 商品名
ナテグリニド スターシス、ファスティック
ミチグリニド グルファスト
レパグリニド シュアポスト

DPP-4阻害薬

食事をすると、小腸からインクレチンというホルモンが分泌されます。

インクレチンは、すい臓に作用して、インスリンの出を良くします。また、血糖を上げる作用のあるグルカゴンというホルモンが出るのを抑えます。

したがって、インクレチンにより血糖値は下がります。

しかし、インクレチンは小腸から分泌されしばらくするとDPP-4により分解され、血糖値を下げる効果がなくなってしまいます。

DPP-4阻害薬はDPP-4の働きを抑え、インクレチンの分解を抑えることにより、インクレチンの作用を強め、血糖値を下げる作用を発揮するお薬です。

血糖値が高いときにインスリンを出す作用を発揮し、血糖値が低いときはインスリンを出す作用があまりないので、DPP-4阻害薬のみでは低血糖を起こしにくいです。

体重も増えにくいお薬です。

DPP-4阻害薬
一般名 商品名
シタグリプチン ジャヌビア、グラクティブ
ビルダグリプチン エクア
アログリプチン ネシーナ
リナグリプチン トラゼンタ
テネリグリプチン テネリア
アナグリプチン スイニー
サキサグリプチン オングリザ
トレラグリプチン ザファテック
オマリグリプチン マリゼブ

糖吸収・排泄調節系

α-グルコシダーゼ阻害薬

糖の吸収をゆっくりするお薬です。食後の血糖値を上がりにくくする作用があります。

体重が増えにくいお薬です。

食事の直前に飲むのが一番効果が出る飲み方です。

「いただきます」の時に内服するのが良いでしょう。

お腹が張ったり、ガスが多くなったりするなど、おなかに関する副作用が出やすいお薬です。

α-グルコシダーゼ阻害薬だけでは、低血糖は起こしにくいですが、他のお薬と一緒に飲むと低血糖を起こすことがあります。

低血糖を起こしたときは、ブドウ糖を飲むようにします。

α-グルコシダーゼ阻害薬
一般名 商品名
アカルボース グルコバイ
ボグリボース ベイスン
ミグリトール セイブル

SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬は尿に糖を出して、血糖値を下げるお薬です。

尿に糖が出ていくため、体重が減りやすいお薬です。

SGLT2阻害薬単独では低血糖を起こしにくいです。

血圧を下げたり、脂質を改善したり、尿酸を下げる作用もあります。

さらに、心筋梗塞、脳卒中の発症を抑えたり、糖尿病性腎症が進行するのを抑えるとの報告があります。

脂肪肝の改善が期待できるお薬です。

SGLT2阻害薬の種類
一般名 商品名
イプラグリフロジン スーグラ
ダバグリフロジン フォシーガ
ルセオグリフロジン ルセフィ
トホグリフロジン アプルウェイ、デベルザ
カナグリフロジン カナグル
エンパグリフロジン ジャディアンス

一番良いお薬は?

糖尿病の飲み薬には、上記のように様々なお薬があります。

どのお薬が一番良いかは、一人一人、異なります。

ある人にとって一番良いお薬が、他の人にとっては、使ってはいけないお薬であることもあります。

  • 自分の体からインスリンがよく出ているのかあまり出ていないのか
  • 食後の血糖値が上がりやすいのかあまり上がらないのか
  • 太っているのか、太っていないのか
  • 年齢
  • 腎臓や肝臓の機能
  • 糖尿病以外の病気があるのか無いのか

など、いろいろなことを考慮して、適切なお薬で治療を受けることが大切です。

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