茅ヶ崎市のやまもと内科クリニック
糖尿病専門医、総合内科専門医の院長が診察しております
低血糖とは、血液中のブドウ糖が少なくなりすぎる状態のことです。つまり、血糖値が低い状態のことです。
インスリン治療や糖尿病の飲み薬を使っている方は、低血糖を起こす可能性があります。
血糖値が下がってくると、体はなんとか血糖値を上げようとして、血糖値を上げるホルモンが分泌されます。血糖値を上げるホルモンには、カテコラミン、グルカゴン、副腎皮質ホルモン、成長ホルモンなどがあります。
おおよそ血糖値が60-70mg/dl以下になると、低血糖の症状が出ます。
しかし、低血糖症状が出る血糖値は個人差があります。
普段血糖値が高い方は、血糖値が100mg/dlでも、低血糖症状が出ることがあります。
逆に、普段血糖値が低い方は、血糖値が60mg/dlでも、低血糖症状が出ないことがあります。
低血糖を繰り返していると、胸がどきどきする、冷や汗をかく、ふるえがくる、不安感などの「警告症状」がでないで、意識が悪くなることがあります。
次のような時に、低血糖が起こることが多いです。
どのようなときに低血糖が起こるのか、主治医と一緒に原因を探して、なるべく低血糖がおきないようにしていきます。あらかじめ低血糖が起こりそうなことがわかっているときは、補食をしたり、インスリン量を減らして対処します。
低血糖症状がでたら、すぐに対処する必要があります。
血糖値がすぐに測れる状況であれば、血糖値を測ります。本当に血糖値が低いかどうかがわかります。すぐに測れないときは、血糖値を上げるようにすぐに対処します。
ブドウ糖か砂糖10-20g程度を摂取します。おおよそ、5-10分ぐらいで、低血糖症状が治ります。15分経っても症状が続く場合は、もう一度、ブドウ糖、砂糖を摂取します。
αグルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース、ベイスン、グルコバイ、アカルボース、セイブル、ミグリトールなど)を飲んでいる方は、必ずブドウ糖を飲むようにします。ブドウ糖以外では、血糖が回復するのが、遅れてしまいます。
意識がはっきりしていなくて、ブドウ糖、砂糖を飲めない場合は、周りの人にブドウ糖、砂糖をくちびると歯ぐきの間に塗ってもらい、すぐに医療機関を受診するようにします。他の方法として、グルカゴンを注射する方法があります。グルカゴンは家族が注射することができますが、医師からの処方、指導が必要です。
たとえ意識を失っても、早く対処すれば、意識は完全に回復します。
意識が低下するほどの低血糖を起こした場合は、意識が回復しても医療機関の指示を受けることをお勧めします。
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