バセドウ病|茅ヶ崎市の内科専門医が解説

茅ヶ崎市のやまもと内科クリニック

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院長・医学博士:山本幸宏(糖尿病専門医総合内科専門医

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バセドウ病

バセドウ病とは

甲状腺機能亢進症の代表的な病気がバセドウ病です。バセドウ病では、甲状腺ホルモンが必要以上に作られてしまします。甲状腺ホルモンは精神的にも肉体的にも体を活発にする作用を持っています。甲状腺ホルモンが多くなることにより体には様々な症状が現れます。

  • どきどきする
  • 暑がりになる
  • 汗をかきやすくなる
  • 微熱が出る
  • 体重が減る
  • 食欲が増える
  • 下痢、軟便
  • 手が震える
  • 女性の方は月経不順
  • いらいらする
  • 落ち着かない
  • 不眠になる
  • 目つきが鋭くなる、眼球突出

代謝が活発になるので、食事量が変わらなければ、体重は減ります。バセドウ病では、食欲が増えることが多いので、体重が増える方もいらっしゃいます。

健康診断などで血液検査を行った場合には、コレステロールが低くなる、肝臓の値が高くなる、血糖値が高くなるなどの異常が出ることがあります(通常の健康診断には甲状腺ホルモンの検査はありません)。コレステロールが低くなったり、肝臓の値が高くなったりして、甲状腺ホルモンの異常が診断されることもあります。

バセドウ病の方の30-40%に目の症状が出ます(バセドウ病眼症)。眼が前に出たり(眼球突出)、まぶたが腫れたようになったり、物が二重に見えることがあります。目つきが鋭くなったことを周りの人から指摘されることもあります。どのような方がバセドウ病眼症になりやすいか、不明な点もありますが、タバコを吸っているとバセドウ病眼症になりやすく、バセドウ病眼症が悪化しやすく、治療を行っても治りにくくなります。バセドウ病の方は禁煙することが大切です。

バセドウ病では、甲状腺が腫れること(甲状腺腫)が多いです。甲状腺の腫れで、甲状腺の異常に気がつく方もいらっしゃいます。

バセドウ病の診断

バセドウ病が疑われると、甲状腺ホルモンを調べるため、採血を行います。バセドウ病では、一般的に甲状腺ホルモンが増加していますが、甲状腺ホルモンが増加する病気には、バセドウ病の他にも様々な病気があります。

甲状腺ホルモンが多い病気=バセドウ病ではありません。

甲状腺ホルモンが増加する病気の約80%はバセドウ病です。約20%が無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎です。その他、機能性結節性甲状腺腫や妊娠性の甲状腺機能亢進症があります。

バセドウ病かそれ以外の病気かで治療方針が全く異なります。バセドウ病を疑われたときは、最初の段階で正確な診断をつけることが大切です。

甲状腺ホルモンが増加していた場合、TSH受容体抗体(TRAb)、TSAbなどの血液検査をします。この検査で、バセドウ病の診断がつくことが多いですが、診断がつかない場合は、アイソトープ検査を行います。

バセドウ病の確定診断のために必須の検査ではありませんが、甲状腺の超音波検査を行います。

甲状腺ホルモンとTSH

甲状腺ホルモンにはfT4(フリーティーフォー)とfT3(フリーティースリー)があります。

甲状腺ホルモンを調節するホルモンにTSH(甲状腺刺激ホルモン)があります。TSHは脳の下垂体と呼ばれるところから出るホルモンで、甲状腺に甲状腺ホルモンを作るように命令しているホルモンです。

甲状腺で甲状腺ホルモンが過剰に作られると、脳はこれ以上甲状腺ホルモンは必要ないと判断して、TSHは低くなります。甲状腺で甲状腺ホルモンが作られなくなると、脳は甲状腺に甲状腺ホルモンを作らせるためにTSHは高くなります。

バセドウ病では、一般的には、fT4、fT3が高くなり、TSHは低くなります。TSHは測定できないぐらい低くなることがあります。

バセドウ病の治療

バセドウ病の治療には、大きく分けて3つの方法があります。

  • 飲み薬で甲状腺ホルモンが作られるのを抑える
  • アイソトープで甲状腺ホルモンが作られる場所を少なくする
  • 手術で甲状腺ホルモンが作られる場所を少なくする

アイソトープや手術で治療を行うときも、まずは最初に飲み薬で甲状腺の働きを落ち着かせてから、アイソトープや手術の治療を検討します。

飲み薬(抗甲状腺薬)による治療

甲状腺ホルモンが作られるのを抑える飲み薬による治療です。飲み薬には、メルカゾール、チウラジール、プロパジールというお薬を使います(チウラジールとプロパジールは同じ成分のお薬です)。一般的にはメルカゾールで治療しますが、妊娠、授乳、メルカゾールによる副作用の問題でチウラジール、プロパジールで治療することもあります。

飲み薬の副作用で一番気をつけないといけないのは、無顆粒球症といわれる副作用です。顆粒球は白血球の一種で、ばい菌をやっつける作用があります。無顆粒球症はこの顆粒球がほとんどなくなってしまう副作用です。ばい菌に対する抵抗力がなくなり、のどが痛くなったり、急に熱が出たりします。特に薬を飲み始めた2-3ヶ月以内に起こることが多いです。この期間は、2週間毎に顆粒球の血液検査を行い、副作用が出ていないか確認が必要です。また、のどが痛くなったり、発熱した場合は、お薬を飲むのをやめてすぐに医療機関を受診する必要があります。

抗甲状腺薬は多い量からはじめて、徐々にお薬を減らしていきます。

アイソトープによる治療

放射線により、甲状腺に炎症を起こして、甲状腺ホルモンが作られる場所を少なくする治療法です。

治療により甲状腺機能が正常になることもありますが、甲状腺ホルモンが少なくなりすぎて、甲状腺ホルモンを補う治療が必要になることもあります。

手術による治療

手術により甲状腺を切除して、甲状腺ホルモンが作られる場所を少なくする治療法です。手術により、甲状腺機能が正常になることもありますが、甲状腺を切除する量が少ないとバセドウ病が再発しますし、甲状腺を切除する量が多いと甲状腺ホルモンが少なくなり、甲状腺ホルモンを補う治療が必要になります。

バセドウ病のそれぞれの治療法には、メリットとデメリットがあります。

バセドウ病治療法のメリットとデメリット
  メリット デメリット
内服薬 外来で治療を始められる

治療期間が長い

副作用に注意が必要(特に薬を飲み始めて、2〜3ヶ月間)

アイソトープ 甲状腺ホルモンを確実に減らせることが多い

治療後に、甲状腺ホルモンが少なくなる可能性がある

妊婦、妊娠している可能性がある女性、授乳中の女性は治療を受けられない

治療後に、バセドウ病眼症が起こったり、悪くなったりする可能性がある

手術

早く治すことができる

甲状腺が大きい場合に適している

治療後に、甲状腺ホルモンが少なくなる可能性がある

手術の合併症の可能性がある

手術の傷跡が残る可能性がある

当院(茅ヶ崎市のやまもと内科クリニック)でのバセドウ病の診断、治療

甲状腺ホルモンの採血を行います。甲状腺ホルモンが高かった場合は、TSH受容体抗体(TRAb)、TSAbなどの血液検査をします。この検査で、バセドウ病の診断がつくことが多いですが、診断がつかない場合は、アイソトープ検査を行います。

バセドウ病眼症が疑われる場合は、眼科と連携して治療を行います。

バセドウ病と診断された場合は、飲み薬による治療を行います。飲み薬による治療を継続される方がほとんどですが、手術やアイソトープ(放射線)による治療をご希望の場合は、専門で行っている医療機関にご紹介します。手術やアイソトープによる治療を行う際も、通常はまずは、飲み薬により甲状腺の働きを落ち着かせます。

バセドウ病や甲状腺ホルモンの多い方、少ない方で初診の方は、お電話(0467-40-4976)で予約をおとりします。初診時は予約での受診をお願いいたします(当日でも可能な限り予約をお取りします)。

再診については、会計終了後に次回予約をおとりします。

予約についての詳細は、予約についてをご覧下さい。